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概算・コスト

新築計画の概算準備|用途・面積・仕様の整理

· 編集:KMC株式会社

新築計画の概算前に、用途、面積、敷地、構造、設備、仕様、外構を整理する方法を解説。坪単価に頼らない条件表と判断分岐を掲載します。

新築概算は坪単価だけで始めない

同じ延床面積でも、用途、階数、構造、形状、設備、敷地、外構、性能条件で概算の前提は変わります。出典のない坪単価を掛けて確定額のように伝えず、計画条件と未確定事項を先に整理します。

初期概算は予算の方向を検討する資料です。施工者の確定見積や設計の法適合を保証するものではありません。面積と仕様が動いたら、概算も同じ版で更新します。

7区分の条件表

区分確認項目記入例
用途・運用利用者、営業時間、搬入事務所30席、来客あり
面積必要室、共用、設備、外部要求面積表を別添
敷地境界、道路、高低差、インフラ測量図あり、排水未確認
構造・階数計画上の想定、制約比較検討中
仕上・性能外壁、内装、環境、耐久要求水準を整理中
設備空調、給排水、電力、通信運用条件表あり
外構・別途駐車、排水、造成、植栽外構範囲未確定

未定の項目は空欄にせず、仮定、要望、未確認を選びます。構造や設備方式をAIの一般回答で確定しません。

要求面積の記入例

執務30席、6人会議室2室、応接1室、来客と執務の動線を分ける。共用・設備・収納面積は設計者が計画案で確認する。普通車12台、来客4台、サービス車1台。3年後に6席増員の可能性あり。延床面積は要求室の単純合計では確定せず、計画案と面積表で更新する。

室名と面積だけでなく、人数、使い方、将来変化を書きます。廊下、階段、便所、設備、壁厚などを無視した室面積合計を建物全体の面積にしません。

概算に含む範囲を先に決める

費用範囲扱い確認事項
建物本体含む範囲を記入構造・仕上・性能
建築設備含む・別途を分ける方式、特殊設備
外構・造成範囲確認舗装、排水、高低差
既存物撤去有無建物、舗装、樹木、埋設
設計・申請等工事費と分ける業務範囲、手続
家具・移転等顧客手配も表示総事業費との関係

建物本体概算と総事業費を混同しません。別途は不要という意味ではなく、別の確認が必要な項目です。

準備手順

  1. 事業目的、利用者、運用、希望時期を確認する。
  2. 要求室を専有、共用、設備、外部へ分ける。
  3. 敷地資料とインフラ条件を確認する。
  4. 構造、仕上、性能、設備の確定度を記録する。
  5. 建物、設備、外構、別途の範囲を分ける。
  6. 比較案ごとに同じ条件で面積表と概算条件表を作る。
  7. 未確認事項と更新時点を顧客へ説明する。

令和6年国土交通省告示第8号は、基本設計の標準業務として、設計条件の整理、法令上の諸条件や供給状況の調査、基本設計方針、基本設計図書、概算工事費の検討、建築主への説明を示しています。個別契約の業務範囲と成果物を確認し、告示を一律の価格表として使いません。

判断分岐:概算を依頼できる状態か

  • 用途、面積、範囲が整理済みなら、仕様仮定を付けて概算へ進む。
  • 面積が要求室の合計だけなら、共用・設備を含む計画案を先に確認する。
  • 敷地高低差やインフラが不明なら、外構・造成を未確定として調査する。
  • 構造や設備方式を比較中なら、共通条件と案別条件を分ける。
  • 予算範囲が建物本体か総事業費か不明なら、顧客へ確認する。
  • 希望時期が先なら、算定時点と更新条件を明記する。

案ごとに変えない条件

案比較では、利用人数、必要室、駐車台数、含む工事範囲を勝手に変えません。案Aだけ外構を除外し、案Bに外構を含めれば比較できません。条件を満たせない案は、何を調整したかを書きます。

比較軸案A案B確認
必要室満たす一部兼用運用可否
面積面積表面積表算定条件統一
設備共通仮定共通仮定専門者確認
外構同じ範囲同じ範囲排水未確認

AIを初期検討に使う場合

AIやボリュームツールが出した案を、そのまま法適合、構造成立、施工可能性の根拠にしません。ボリュームチェックAIの入力と比較とAI積算と概算の違いを参照し、入力条件と人の確認を残します。

面積要求が目標を超えたとき

必要室の面積を足し上げた結果、目標延べ面積を超えることがあります。このとき各室を一律に縮める前に、利用人数、利用頻度、同時利用、共用できる機能、収納場所、将来対応を確認します。室面積と通路、壁、設備スペースなどを含む延べ面積を混同しないことも重要です。

調整対象確認する質問比較案の例
会議室最大人数と通常人数は同じか大会議室、分割利用、共用席
収納何を何年保管するか室内、集中収納、外部保管
執務席固定席が必要か固定席、共用席、増席余地
共用部同時利用の人数は何人か一体利用、時間分離
将来増員いつ、何人増えるか当初整備、増築、配置変更

調整後は、面積だけでなく使い方が要求を満たすかを施主と確認します。面積削減を概算削減額へ直結させず、外皮、構造、設備、仕上げ、外構など関連項目を再確認します。

敷地条件を計画条件へ戻す

新築では、用途と必要面積が整理できても、敷地の接道、高低差、供給処理施設、周辺環境、法令等の条件によって案が変わります。初期段階では、確認済みの事実、行政や事業者へ確認する事項、設計上の仮定を分けます。

たとえば電力や給排水の引込条件が未確認なら、一般的な条件で設備費を確定せず、確認担当と期限を置きます。地盤調査前に基礎方式を保証する表現も避けます。構造や設備の方式は、必要な調査と専門的検討を経て選定します。

概算依頼時には、敷地資料一覧と未確認事項一覧を添付します。見積側から質問が出た場合は、個別メールだけで回答せず条件表へ反映し、全見積先へ同じ情報を渡します。これにより、案ごとの比較条件をそろえられます。

見積質問を計画条件へ反映する

概算の依頼後には、構造、仕上げ、設備、外構、工期について質問が出ます。回答をメールだけで終えると、設計側の条件表と見積側の前提がずれるため、質問番号、回答日、回答内容、影響資料を一覧にします。同じ条件で比較する複数の見積先がある場合は、同一の回答を共有します。

回答できない質問には、仮定を示すか、未確定項目として分けるかを選びます。設計者だけで確定できない事項は、施主、専門担当、行政、供給事業者など確認先を付けます。回答期限に間に合わない場合は、概算へどの仮定を置いたかを明記します。

概算受領後は、条件表と見積の前提を照合します。要求面積、階数、構造の想定、主要仕上げ、設備範囲、外構範囲、別途項目のうち、異なる条件があれば総額をそのまま比較しません。差を確認し、必要なら統一条件で再整理します。

よくある質問

坪単価で概算できますか

初期参考に使う場合も、用途、構造、仕様、設備、外構、時点、含む範囲を確認します。出典のない一律相場を確定額として使いません。

構造は概算前に決める必要がありますか

比較中なら案別条件を示します。専門家の検討前に一般論やAI回答だけで確定しません。

必要室の面積合計が延床面積ですか

共用、設備、収納、壁厚などが必要です。計画案と面積表で確認します。

外構は後で考えてもよいですか

敷地利用、高低差、排水、駐車は初期案と総予算へ影響します。未確定でも別枠で示します。

概算後に面積が変わったらどうしますか

図面版と面積表を更新し、数量・仕様・範囲への影響を確認して概算を更新します。

参考資料

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