設計事務所 業務改善Navi

実務モデル / 問い合わせ・案件共有

B設計事務所の実務モデル|問い合わせと次の対応をツナギーで共有する

問い合わせが個人メール、顧客一覧がExcel、対応状況が口頭に分かれていた状態から、ツナギーで顧客、営業案件、次アクション、期限、対応履歴をつなぐ実務モデルです。誰がいつ何を確認するかを決め、担当変更時にも判断の経緯を渡せる運用へ整理します。

B設計事務所(想定)

B設計事務所は、代表、営業窓口、設計担当が問い合わせ対応を分担する設計事務所を想定しています。Web、紹介、電話から相談が入り、契約前の案件も設計中の案件も同じメンバーが扱います。ツナギーの顧客情報と案件進捗をクラウドで管理する用途を、設計事務所の受付業務へ当てはめます。

架空の設計事務所を想定した実務モデルです。実施時に決める手順と、確認する項目を具体化しています。

何に困っている事務所か

問い合わせ本文は受信者のメールボックスに残り、顧客名と連絡先はExcelへ転記されても、返答内容や次回連絡日は別管理でした。担当者が不在になると、誰が返信したか、顧客が何を待っているか、見送りになった理由は本人へ聞かないと分かりません。案件数を増やす前に、相談を受けた時点から次の行動と期限を一か所で追えるようにし、未返信、長期保留、担当変更時の抜けを日常の確認で見つけることが課題です。

改善前・改善後で、仕事はどう変わるか

改善前

  • 問い合わせメールは受信者だけが読み、顧客一覧のExcelには会社名と連絡先だけが後から転記されていた。
  • 次回連絡日や顧客回答待ちが担当者の予定表にあり、事務所全体では未返信と保留を区別できなかった。
  • 担当変更時にメールを転送して説明していたため、提案内容、見送り理由、約束した期限の引継ぎが抜けやすかった。

改善後の運用

  • 問い合わせを受けた日に顧客を検索・登録し、相談内容ごとに営業案件を作って受付経路と目的を記録する。
  • 案件には担当者、状態、次アクション、期限、待ち先を置き、連絡のたびに対応履歴を更新する。
  • 日次で未返信、週次で期限超過と長期保留を確認し、担当変更時は案件要約と履歴を一緒に読み合わせる。

仕事の流れをこう変える

  1. STEP 1 / 担当:受付担当

    問い合わせを顧客へ結び付ける

    メール、電話、紹介で相談を受けたら、まずツナギーで同じ会社や担当者が登録済みか検索する。既存顧客なら重複登録せず履歴を確認し、新規なら連絡に必要な範囲だけ顧客情報を登録する。受付経路と受信日時も残す。

    残すもの:重複を確認した顧客情報、問い合わせ受付記録

  2. STEP 2 / 担当:受付担当と案件責任者

    相談単位で営業案件を作る

    顧客情報に対して相談の目的、対象建物、希望時期、現時点の資料、判断期限をまとめた営業案件を作る。同じ顧客でも相談内容が違う場合は案件を分け、顧客情報だけで進捗を管理しない。担当者と一次返答の期限を決める。

    残すもの:営業案件、担当者、一次返答期限

  3. STEP 3 / 担当:案件担当

    次アクションと待ち先を分ける

    次に行うことを、資料受領後に検討する、といった曖昧な表現ではなく、誰が誰へ何をいつまでに行うかで記録する。自社が動く期限と顧客回答待ちを区別し、顧客待ちでも次回確認日を空欄にしない。

    残すもの:次アクション、実行期限、待ち先、再確認日

  4. STEP 4 / 担当:連絡した担当者

    連絡のたびに対応履歴を残す

    メール送信、電話、打ち合わせの後に、決まったこと、保留、顧客へ依頼した資料、次の約束を対応履歴へ記録する。メール本文を丸ごと貼るだけにせず、案件判断に必要な要点と原文の所在を分ける。

    残すもの:時系列の対応履歴、決定事項、保留事項

  5. STEP 5 / 担当:営業責任者

    未返信と停滞を定例で確認する

    毎日、一次返答期限を過ぎた案件と今日連絡する案件を見る。週次では、次アクションが空欄、期限超過、顧客待ちが長い、失注理由がない案件を確認する。失注や見送りも削除せず、理由と再接触の要否を記録して終了する。

    残すもの:未返信確認表、期限超過一覧、失注・見送り理由

  6. STEP 6 / 担当:旧担当と新担当

    担当変更時に次の一手を読み合わせる

    顧客情報、営業案件、直近の対応履歴を一緒に開き、新担当が現在地と次アクションを自分の言葉で説明する。説明できない条件は旧担当へその場で確認し、引継ぎ完了日と新しい責任者を記録する。

    残すもの:案件要約、引継ぎ確認記録、新しい担当と期限

顧客と案件を分けると、同じ相手からの複数相談を追える

顧客情報は会社や担当者との関係を表し、営業案件は個別の相談と判断の流れを表します。一社から改修、新築、物件調査の相談が並行して来たとき、顧客の備考欄だけへ追記すると、どの期限がどの相談に属するか分からなくなります。先に顧客の重複を確認し、その下で相談単位に案件を分けると、連絡先を一つに保ちながら進捗を個別に追えます。

案件名は顧客名だけにせず、相談の対象と目的が分かる言葉にします。契約前で情報が少なくても、目的、判断期限、次アクションの三点を置けば管理を始められます。情報が増えたら追記し、最初から全項目を埋めるために受付を遅らせないことが大切です。

未返信を防ぐには、状態より次アクションと期限を見る

商談中や検討中という状態だけでは、今日誰が動くのか判断できません。案件担当は、図面の受領確認を送る、用途条件を電話で確認する、提案日を候補三日で打診する、のように次の動作を書きます。顧客の返事を待つ場合も、待ち始めた日と再確認日を置きます。

日次確認では未返信と当日期限だけを短く見て、週次確認で長期保留、失注、担当不在を見ます。全案件を毎日会議で読み上げる必要はありません。確認する条件を決めておくことで、台帳更新が会議資料づくりだけの作業になることを防ぎます。

  • 一次返答が必要なのに担当者または期限が空欄の案件
  • 期限を過ぎても次アクションが更新されていない案件
  • 顧客回答待ちのまま再確認日がない案件
  • 失注または見送りなのに理由が残っていない案件

対応履歴は、担当者を監視するためでなく判断を引き継ぐために残す

履歴へ必要なのは、連絡した事実だけではありません。顧客が重視した条件、こちらが説明した前提、合意できなかった点、次に必要な資料を残します。後任者は、過去メールを一通ずつ開かなくても現在地を理解でき、必要なときだけ原文へ戻れます。

このモデルは、ツナギーを入れるだけで未返信や失注がなくなるという効果を示していません。入力の担当、更新する時点、日次・週次で見る条件を決めて初めて運用になります。B設計事務所では、実施前後の同じ期間と同じ受付範囲を比較して効果を測る想定です。

始める前に確認すること

  • 顧客を新規登録する前に、会社名、担当者、メールアドレスなどで重複を確認したか。
  • 顧客情報と個別の相談案件を分け、相談単位の担当者と期限を置いたか。
  • 次アクションを、担当、相手、行動、期限が分かる言葉で記録したか。
  • 顧客回答待ちにも再確認日を置き、放置と待機を区別したか。
  • 担当変更時に、新担当が現在地と次の行動を説明できるか確認したか。

改善を確かめる指標

導入前後で同じ条件の案件を記録して比較します。以下は計測する項目で、導入効果の実測値ではありません。

一次返答までの時間(分/件)
問い合わせを受けた時刻から、受領連絡または最初の具体的な回答を送った時刻まで。自動返信だけは一次返答に含めない。改善率は未測定。
期限超過の未返信件数(件/週)
自社が返答すると決めた期限を過ぎ、送信履歴も期限更新もない案件数。顧客回答待ちは別集計とし、改善率は未測定。
担当変更時の追加確認件数(件/引継ぎ)
新担当が業務を始めるために、旧担当へ追加で聞かなければ分からなかった条件、約束、資料所在の件数。改善率は未測定。

自社の業務に合わせて考える

まずは1つの案件で、そろえる情報・確認する担当者・次の対応を決めて試してみましょう。

あわせて読みたい実務ガイド

業務改善事例の一覧に戻る →