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設計事務所の議事録|決定・保留・宿題

· 編集:KMC株式会社

設計打ち合わせの議事録を、決定、保留、宿題に分けて書く方法を解説します。テンプレート、確認依頼、修正履歴、AI利用時の注意も紹介します。

議事録は会話の再現ではなく次の作業の入口

設計打ち合わせでは、要望、設計者の提案、未確認の技術条件、正式な決定が同じ会話に現れます。発言順のメモだけでは、担当者がどこから作業を始めるか分かりません。議事録は、何を決め、何を保留し、誰がいつまでに何を確認するかを参加者が共有するために作ります。

Microsoft Teamsの公式ヘルプでは、会議前の議題、会議中のメモとタスクを共同編集し、会議後にも参照できる機能を案内しています。これは製品機能です。本記事の区分、確認期限、記録例は設計事務所向けの独自運用例です。

冒頭に会議の識別情報を置く

項目記録例
議事録IDMTG-S014-012
会議名基本計画定例 第12回
日時2026年10月13日 10:00から11:15
参加者施主A、施主B、意匠C、構造D、設備E
対象資料配置案P03、平面図A-201 C02、概算条件G02
作成者・確認者作成C、確認は参加者全員
確認期限2026年10月15日 17:00

参加者は会社名と役割も分かるようにします。途中参加、途中退出、代理出席が判断に影響する場合はその時刻も記録します。対象資料はファイル名だけでなく版を入れます。

本文を四区分にする

区分意味記録例
決定権限のある人が採用した事項P03案を基本計画の検討案とする
保留判断条件が足りず決めていない事項会議室間仕切りは設備影響回答後に判断
宿題担当と期限がある作業設備Eが10月15日までに吹出口案を回答
共有決定を伴わない事実や連絡次回は施主責任者が参加予定

「了承」「検討」「対応」のような言葉だけで終わらせず、対象、状態、主体を書きます。「施主了承」は誰が何を承認したか、「設計側で検討」は誰がいつ何を返すかまで具体化します。

議題ごとの書き方

議題4 会議室の利用人数

事実:採用計画の更新により最大8名利用を想定する。

提案:家具変更案と間仕切り移動案を比較する。

保留:間仕切り移動案の設備、費用、日程影響。

宿題:設備Eが10月15日、積算Fが10月16日までに回答。

次回判断:10月17日の施主確認で採用案を決める。

この例では、8名利用という条件と、間仕切り移動の採用を分けています。会話中に出た案をすぐ「決定」へ入れないことが大切です。決定権者が不在なら「提案」または「持ち帰り確認」と記録します。

図面上の指摘と結ぶ

図面へ直接書いたコメントは、議事録の議題番号と結びます。スクリーンショットだけを貼ると縮尺や版が分からないため、図面番号、版、指摘位置、コメントIDを併記します。

コメントID図面指摘状態関連議題
CMT-044A-201 C02会議室東側の通路幅を確認回答待ち議題4
CMT-045A-501 C01間仕切り詳細の変更要否未着手議題4

図面コメントを解決済みにする条件も決めます。返信が付いただけで閉じず、必要な図面改訂と確認が完了したときに閉じます。

会議中と会議後の役割

会議中は作成者が決定候補を読み上げ、決定者へ確認します。技術的な判断がその場でできない事項は保留へ送ります。終了前の五分で、決定、宿題、次回判断日を参加者と確認します。

会議後は作成者が対象資料の版と担当期限を整え、原則として決めた期限内に共有します。受信者には「誤りがあれば何日までに、該当議題と修正文を返信」と依頼します。異議がなければ承認とみなす運用を採用する場合は、契約と参加者合意を確認し、通知文に期限と扱いを明記します。

修正履歴を消さない

議事録への訂正は、元文を黙って書き換えません。訂正日、訂正箇所、理由、確認者を残します。

訂正記録:2026年10月14日、議題4の宿題担当を設備Dから設備Eへ訂正。会議出席者Eの指摘と参加者確認による。本文は版02として再発行。

重大な認識違いがあれば、議事録の修正だけで図面を進めず、決定事項ログと変更台帳も更新します。既に図面作業へ入っている場合は、影響する担当へ直接連絡します。

宿題一覧は本文から切り出す

宿題ID内容担当期限完了条件状態
ACT-071吹出口配置の代替案を回答設備E10月15日図面コメントへ回答添付進行中
ACT-072家具変更案の席間隔を確認意匠C10月14日比較図P04へ反映完了

「検討する」では完了条件が分かりません。回答、図面反映、承認取得など、何ができたら閉じるかを書きます。期限を過ぎた宿題は次回議事録へ複製せず、同じ宿題IDのまま状態と期限変更理由を更新します。

AI文字起こしと要約を使う場合

録音や文字起こしには参加者の同意、契約、個人情報、機密情報の確認が必要です。AI要約は発言者、否定表現、寸法、日付、図面番号を誤る場合があるため、原音または原メモと照合します。AIが「合意した」と要約しても、決定権者と発言文脈を人が確認します。

録音を保存するか、いつ削除するかは社内規程と案件条件で決めます。一律の保存年限はここでは示しません。利用サービスの保存場所、学習利用、アクセス権、削除方法も事前に確認します。

よくある失敗と点検

議事録をきれいな文章に直しすぎると、誰の判断かが消えます。主語と状態を優先します。全発言を残そうとすると決定が埋もれるため、詳細メモと配布議事録を分けても構いません。写真やホワイトボード画像だけを添付する場合は、案件番号、会議ID、撮影時刻、説明を付けます。

週末には、未完了の宿題、期限を過ぎた保留、決定ログへ未転記の項目を確認します。担当者が変わっても、議事録から現在の図面版と原記録へたどれることを点検基準にします。

参加者の認識が割れた場合の修正例

配布後に施主は「候補として了承しただけ」、設計者は「採用決定」と理解していたと判明した場合、議事録の語句だけを直して終えません。該当作業を一時停止し、対象資料、決定段階、必要な回答者を明示して再確認します。

再確認例:議題4のP03案は基本計画案として採用済みか、比較候補のままかを確認します。間仕切り作図と設備調整は回答まで保留します。回答者は施主責任者A、期限は10月16日です。

回答後は議事録を版02として訂正し、決定ログ、宿題一覧、変更台帳へ同じ確認IDを記録します。すでに作業した内容は消さず、どこまで進み、再利用できるかを残します。

よくある質問

議事録は誰が作るべきですか

会議内容と図面版を理解でき、確認依頼まで担当できる人を決めます。作成者以外が決定事項と宿題を点検すると誤読を減らせます。

全発言を記録する必要がありますか

通常の業務議事録では、目的に必要な事実、提案、決定、保留、宿題を中心にします。逐語記録が必要な場合は別に要件を決めます。

欠席者も確認者に入れますか

決定権者や影響を受ける担当が欠席なら、会議後の承認または情報共有を宿題として記録します。

議事録を送れば図面変更の承認になりますか

自動的にはなりません。契約と案件ルールに沿い、変更要求、影響確認、承認、図面発行を別に管理します。

AI要約だけを配布できますか

原記録と照合し、作成者が責任を持って修正した議事録として配布します。利用前に設計事務所のAI情報管理を確認してください。

出典・参考資料

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