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建築ヒアリングシート|初回相談の質問項目と書き方

· 編集:KMC株式会社

建築の初回相談を概算と提案につなげるヒアリングシートの作り方を解説。質問項目、記入例、資料受領表、相談後の引継ぎ手順を実務用に整理します。

建築ヒアリングシートは次回提案の設計図にする

建築の初回相談では、希望する部屋や外観だけでなく、相談の目的、予算に含める範囲、意思決定者、敷地資料の有無まで聞く必要があります。会話の順にメモするだけでは、設計担当があとから「何が決まり、何が未確認か」を読み取れません。ヒアリングシートは質問票ではなく、相談内容を概算、初期プラン、次回打合せへ渡すための記録です。

良いシートには、顧客が述べた事実、担当者が置いた仮定、今後の調査事項が別々に残ります。たとえば「延床300平方メートル」は要望なのか、敷地から算定した上限なのかで意味が違います。「予算8,000万円」も、建物本体だけか、設計料や外構、什器、税を含む総事業費かを区別しなければ概算の条件になりません。

相談前に埋めておく基本欄

相談時間を会社概要や住所の転記に使わないよう、問い合わせ時点で分かる情報は先に入力します。空欄を無理に推測せず、確認予定の印を付けます。

欄記入例確認する理由
相談の目的自社事務所の移転候補を比較したい求める回答が設計案か予算判断かを分ける
計画種別新築、既存建物の改修も比較必要資料と調査範囲が変わる
敷地・既存建物所在地、案内図あり、測量図なし確認済み資料と不足資料を分ける
希望時期次回役員会までに方向を決めたい提案の深さと日程を合わせる
参加者総務担当、代表者は次回参加誰が希望を述べ、誰が決めるかを知る
受領資料販売図面、現況写真、既存平面図資料名、版、受領日を残す

この段階で「概算を知りたい」という問い合わせを、融資相談用、土地購入判断用、社内予算取り用、設計契約前の比較用に分けます。同じ概算でも、必要な内訳と許容される幅が異なるためです。

当日に聞く質問を6群に分ける

1. 事業と利用者

建物を使う人数、来客、営業時間、将来の増員、賃貸の有無を確認します。「会議室が3室欲しい」より、「同時に何人が、どの頻度で使うか」まで聞くと、兼用できる室と独立が必要な室を分けられます。

2. 空間と動線

必要室名だけでなく、人、物、車、廃棄物の流れを聞きます。事務所なら来客と執務者、物販なら搬入と顧客、医療・福祉用途なら利用者と職員など、交差を避けたい組合せを記録します。

3. 敷地と周辺条件

境界、接道、高低差、既存工作物、インフラ、近隣への配慮を確認します。顧客の説明は重要な手掛かりですが、法令や現況の確定情報にはしません。公的資料、現地、関係機関で調べる項目として切り出します。

4. 品質と優先順位

「明るい」「高級感」などの表現は、参考写真と理由を聞きます。自然光が欲しいのか、照明で明るく見せたいのかでは検討が変わります。必須、できれば欲しい、今回は見送れる、の3段階に分けると、面積や予算を調整しやすくなります。

5. 予算の範囲

金額だけでなく、土地取得、既存解体、建物、設備、外構、設計監理、申請、什器、移転、税のどこまでを含むかを確認します。未定なら「総事業費を決めるための相談」と記録し、仮の上限を確定値として扱いません。

6. 決定方法

比較する候補、社内会議、金融機関への説明、決裁者、次回までに必要な成果物を聞きます。設計事務所が良い案を作っても、判断材料の形式が相手の会議に合わなければ前に進みません。

記入は「事実・希望・仮定・宿題」で分ける

文章の先頭に区分を付けるだけでも誤読を減らせます。

区分記入例扱い
事実現況は社員24人、来客は1日平均3組原記録と照合する
希望将来30人まで席を増やしたい優先度と時期を確認する
仮定会議室は2室を可動間仕切りで兼用比較案で検証する
宿題測量図の有無を不動産会社へ確認担当者と期限を付ける

会話では次のように具体化します。

入力例:新社屋を検討。現在24人、3年後30人を想定。来客席6席は執務室から見えない配置を希望。候補地の販売図面は受領済み、測量図とインフラ引込資料は未受領。次回役員会では配置の方向2案と、概算に含む項目の一覧が必要。

この記録なら、初期プラン担当は人数と動線を読み、概算担当は資料不足と算定範囲を確認できます。逆に「おしゃれな事務所、予算内で」とだけ書くと、各担当が別の前提を補ってしまいます。

相談後24時間以内に作る引継ぎセット

相談後は、詳細な議事メモをそのまま回覧するより、次の4点を一組にします。

  1. 一ページの案件要約:目的、期限、意思決定者、最優先条件。
  2. 受領資料一覧:ファイル名、作成日、版、確認できた内容。
  3. 未確認事項表:調べる内容、担当、期限、回答が影響する箇所。
  4. 次回成果物:配置比較、面積表、概算範囲表など、何を見せるか。

日建連の概算見積資料は、企画設計や基本計画などの初期段階では提示資料が不足し、算出コストの妥当性を判断しにくい場合があると説明しています。だからこそ、ヒアリングシートでは情報不足を隠さず、どの資料と見積手法を使うかを次工程へ渡す必要があります。

実務チェック表

確認項目完了の基準
相談目的次回に相手が判断したいことを一文で書ける
希望条件必須、希望、保留の区分がある
予算金額と対象範囲がセットになっている
資料受領済みと未受領が分かる
調査法規、現況、設備条件の担当と期限がある
成果物次回提出物の用途と閲覧者が分かる
承認顧客へ出す前に確認する担当者が決まっている

AIに相談メモを要約させる場合も、この区分を指定し、原記録との照合を人が行います。顧客名、住所、図面などを外部サービスへ入力する前には、社内規程、契約、サービスの利用条件を確認します。

ヒアリングからPattoAIのデモ条件へつなぐ

PattoAIの公開情報で確認できる中心機能は、建設会社向けに図面を読み、数量積算、実行予算書、見積書の作成を支援することです。ヒアリングシートからデモへ渡すなら、用途、構造、図面の種類、欲しい内訳、現在の見積書式を明示すると、対象業務との適合性を確認しやすくなります。

一般的な設計プランを自動で確定する機能や、法適合、確定価格を示す用途は公開情報では確認できません。自社の図面と成果物でどこまで使えるかは、PattoAIの活用相談で確認してください。

よくある質問

質問項目を事前に顧客へ送るべきですか

所在地、参加者、希望時期、手元資料など、準備できる項目は事前送付に向いています。一方、優先順位や予算の調整条件は会話で理由を確かめた方が誤解を減らせます。空欄でも相談できると添え、回答を強制しない運用にします。

ヒアリングシートだけで概算を提示できますか

シートは概算の入口であり、金額の根拠そのものではありません。敷地、法規、仕様、工事範囲、単価時点などを別途確認し、提示時には含む項目、除外項目、未確認条件を記載します。

参考資料

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